BeAST
え、何言ってんの。
「大丈夫。俺以外は気付いてない」
「何、言って」
「俺は別に、お前はお前だし、何をするにも咎めないで居るつもりだった」
……だから、七種は何かと上手く立ち回ってくれてたってことか……?
「お前って、本当」
「でも、こういうのはさすがに見過ごせないだろ。皇があんなんじゃ、時間の問題だ」
「名探偵かよ」
頭を小突かれる。
「いて」
「これから、お前は学校で四六時中俺と居ること。いいな」
ギロッと睨まれる。
七種に睨まれるとか、初めてだな。
「皇があんなんだって知ってたら、同室にしなかった」
「いや、同室に決まってからあんなんになったんだよ。まあ、その前に予兆みたいなもんはあったけど」
「俺が生徒会の仕事ある時は、幸大に上手く言っておく」
あいつが勉強以外馬鹿でよかったわ。
「分かったな」
「……」
「分かったな」
2回言った。
「はい」
その日は耀介に見つかることなく、バイトに向かうことが出来た。
バイトではアンダーシャツを着て隠した。
次の日、学校でもアンダーシャツで隠すことにした。