魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
錬金術師生活のはじまりはじまり
ノインの住む塔での生活は、毎日が新鮮な驚きと喜びで満ちていた。
住まわせてもらうお礼に、家事は私が担当する。
素材を好きに使わせてくれるだけでも充分だったのに、ノインは午後いっぱい時間を使って私に勉強を教えてくれた。
「賢者の石って、もしかして簡単に作れないもの?」
「そうだな。おとぎ話の存在に近いが、夢を求めてこそ錬金術師だと僕は思う」
「じゃあ、やっぱり私もいつか作れるようになりたい」
「だったら計算を間違えるな。夏リンゴの種の効果も覚えきれていないだろう」
「はーい……」