魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
「仮にも王子相手に、おまえのほうが不遜だけどな」

 本気で思っていたら、ノインはとっくに私を追い出している。

 なんだかんだいって、軽いやり取りを楽しんでるんじゃないかなあと思うけど、私がそう思いたいだけかな。

「これでも王子様相手に頑張ってるほうだよ? 家事だってちゃんとしてるでしょ?」

「ちゃんと? 僕に黒焦げのパンを食わせることが?」

「うっ……それはたまたま失敗しただけで……」

「なるほど、たまたまか。じゃあ明日の朝食は期待していいんだな。僕もいい加減、まともに人間の食うものを口にしたい」

 食事も私の担当だけど、これは残念ながら難易度が高かった。

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