魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
 どう考えてもおいしくないものばかり量産するのは、無駄になる食材にも、食べるノインにも申し訳なくて、一度辞退しようとしたことがある。

 だけどノインは私の逃げを許さなかった。

『素材の大切さを理解しているなら、そのうちどうにかなる。要は栄養になりさえすればいいんだ。味は後回しにしろ』

 たぶん、私に料理を学ぶ機会をくれたのだと思う。

 そこまで言うなら作り方も教えろとは言わなかった。

ノインは結果を重視すると言いながらも、私が自分で学び、試行錯誤して正解を見つけ出す過程を大切にしている節がある。

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