魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

「どれほどの人間に疎まれ、憎まれ、嘲られようと構わないね。アベルのうるささに比べたら、風の音と変わらないよ」

「どうしてそこまでできるの? いろんな人に嫌われるなんて……」

 煙たがる言動とは裏腹に、ノインはこれ以上ないほどアベルを深く想っている。兄のためなら自分は嫌われ者でもかまわない覚悟は、私にとってあまりにも重く映った。

「僕が生まれた時、喜んだのがアベルだけだったからだ」

「え……」

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