魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
〝星の錬金術師〟
森の木々たちが、うっすらと赤く色づき始めた。
秋が近づいているらしい。いつの間にか、私がラスヘイムへ来て半年が過ぎようとしていた。
「まさかあの時のお嬢さんと一緒に、魔物退治をすることになるとは。人生なにが起きるかわからないもんですね」
軽い口調で言ったのは、アベルの部下である双子の騎士の片割れ、パセットさんだ。
「リネットさんのおかげで一命を取り留めたんだ。今日はしっかり働けよ」
彼の隣を歩くキールさんが、真面目な顔で相方に話しかける。
ときどきアベルと一緒に塔にやってきた彼らは、出会った頃と比べてだいぶ私と打ち解けていた。