魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
 瞳の色以外はそっくりだけど、意外と性格の差が大きい。

 パセットさんは冗談を言うのが好きで、ちょっぴりお調子者。キールさんはいつもそんなパセットさんをたしなめる苦労人だ。

「リネットは大人気だな」

 少し先を歩いていたアベルが振り返って笑う。

 紅葉した色鮮やかな木々の中だと、いつにも増して彼の笑顔はまぶしく見えた。

「そういうの、ちょっと反応に困っちゃうんだけど」

「得意げにしていればいい。王子とその従者に気に入られているんだから」

 アベルにからかわれているのはわかったから、素直に喜んでいいのか悪いのか悩む。

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