魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
 だけど、心配する必要はまったくなかった。

 目の届く範囲にいるミカガミガメは狩り尽くされ、三人がずっしりと重そうな革袋を手に、私のもとへ戻ってくる。

 野営地を整えていた私は、彼らから受け取った革袋の中身を空け、近くの泉できれいに処理をした。

 ミカガミガメの肝と聞くと素材らしさが強いけれど、これは動物の内臓だ。

 前世の私ならさすがに触れなかったかもしれない。でも、今世の私はとてもたくましいのである。

 血脂を拭い、汚れを落としてから、専用の薬液を振りかけて少し乾燥させる。

 狩りの最中に見つけておいた、大きな平たい石の上に肝を並べて、焚き火を囲む三人のもとへ向かった。

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