魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
「甲羅は後で村の住人に拾わせよう。あれはすぐに処理が必要ないものだろう?」

 アベルに言われて、首を縦に振る。

「うん。洗うのは手伝ってもらいたいけど、お願いできるかな?」

「そのぐらいなら聞いてくれるはずだ」

 渋みのあるブドウ酒は、お腹の奥からぽかぽかと私を温めてくれた。贅沢を言うなら、シナモンとハチミツを入れたいけれど、あいにく手持ちがない。

 ブドウ酒を飲みながら、四人でしばらく談笑する。

 すぐに帰らないのは、ミカガミガメが大量発生した原因も突き止めなければならないからだ。

「アベルはよくあちこちで魔物狩りをしてるみたいだけど、大変じゃないの?」

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