魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

「いや？　正直、城で机に向かい続けるのは性に合わないんだ。身体を動かしているほうがずっといい」

　ノインは思いっきりインドア派だけど、アベルは考え方も嗜好も体育会系のアウトドア派である。

　王子としての仕事もこなしつつ、気晴らしもかねて人助けをし、ついでに弟のために素材を持ち帰るのが彼のルーティンだった。

「すごいよね。王子様がやらなきゃいけないことって、多いんじゃないの？」

「まあ、少なくはないな。だが、俺が各地に顔を見せていれば、他国もおいそれと手出しできないだろう？　侵略しようとした瞬間、近くに俺がいたとなったら大変だ」