魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
「放っておくと、すぐノイン様の話ばっかりするんですよ。今度はなんの薬を作ったとか、魔道具がどうのとか。双子に生まれた自分たちより、よっぽど一心同体の兄弟だと思いますねえ。──なあ、キール。俺たちももうちょっと頑張ろうな」

「お前がおふたりを見習って、私の手を煩わせなくなればいいんだが……」

 私からすると、キールさんとパセットさんのふたりも充分仲のいい兄弟に見える。

 いいなあ、と素直に羨ましくなった。

 私は前世も今世も家族に恵まれなかったのに、彼らは自分と同じか、それ以上に大切な相手(きょうだい)がいる。

「アベルがそこまでノインを大事に思うのは、お兄ちゃんだから?」

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