魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
「ご……ごめんなさい、ちょっと……予想より……」

「あ、あの、水を飲んでも大丈夫ですから」

 私が慌てて教えた瞬間、王妃殿下は目にも止まらぬ速さで、テーブルに置いてあるカップを取り、勢いよく紅茶を飲んだ。

「だ、大丈夫なのか」

 あまりの勢いに陛下もうろたえている。

「この薬の唯一の欠点です……。時間をかければ、もう少し味も改善できるかと……」

「ぜひ、飲みやすい味への改良を……うう……お願いします……」

 王妃殿下はメイドから紅茶のお代わりをもらい、涙目になりながら言った。

 気持ちはわかる。この薬は本当に、信じられないほどまずいのだ。

「それで、効果のほどは?」

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