魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
 陛下に聞かれ、王妃殿下が紅茶のカップを置く。

 自分の手を見つめ、驚いたように目を見開いた。

「まあ……! 指先までぽかぽかするわ。こんなに早く効果が出るなんて」

「初めてだから、余計に早く効果が出たのだと思います。身体が薬に慣れると、徐々に落ち着いてくるかと」

「あら……まあ、本当にすごい! 見て、私が汗をかくなんていつ振りかしら!」

 王妃殿下が子供のように声を弾ませ、額に滲んだ汗を陛下に示した。

「これは誰にでも飲める薬ですか? メイド長もこの間、私と同じように苦しんでいると聞いたので、もし飲ませても大丈夫ならわけてあげたいのです」

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