魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
「そんなことは。いつもアベル王子には多くの素材をわけていただいておりますし、ノイン王子からも返しきれないくらい恩を受けておりますから。この薬だって、おふたりの協力がなければ完成しませんでした」

「しかし……」

 その時、ちょいちょいと王妃殿下が陛下の袖を引いた。

 清楚で上品な、いかにも王妃様といった方かと思いきや、さっきの冗談や、薬への反応といい、意外とかわいらしい面もあるようだ。

 王妃殿下がなにやら耳打ちすると、陛下が大きくうなずく。

「今回だけでなく、これまでのそなたのラスヘイムへの功績は計り知れない。よって、今後そなたにはラスヘイム王室の国印の使用を許す」

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