魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
「あの人なら、そのぐらい平気な顔でやりそうよね」

 両親の話を聞きながら、エミリアは眉間に皺を寄せて息を吐く。

 彼女は、今日のパーティーをエスコートする予定だった婚約者が欠席したせいで、ひどく機嫌を損ねていた。

 姉から奪いはしたが、エミリアからするとオーウェン王子はあまりにも凡庸でつまらない男だ。王子という身分がなければ、彼の隣で愛想を振る舞おうとは思わないほどに。

しかも今夜のパーティーは、記憶の彼方に追いやっていたリネットの話題ばかりで、誰もエミリアに目を向けようとしない。

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