魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
 魔法を扱えない出来損ないだと思ったら、実は誰も知らない第六の魔法適性を持つ天才魔法師だった──なんて、夢のある話だ。

「ありえない話じゃないな。おまえの身体も研究するか」

「ノインにやらせたらばらばらにされそう」

「心配するな。血の一滴までちゃんと使い切ってやる」

「素材にしようとしないでよ」

 私がひどいことを言われたのに、先日荒ぶったアルトは呑気にお昼寝していた。

 こういう時こそ、ノインを引っかくべきだと思う。

 リッカに鉱石のかけらを入れ、鉱石同士を結合させる翡翠の樹液を加える。いつものように耳に届く音を聞きながら、ほかにも混ぜ合わせていった。

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