魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
 完成した錬成物は、私の手のひらよりふた回りほど小さい鉱石だった。

「ノインが作ったものと同じ?」

「そうだな。見た目も近い。こっちのほうが不純物は少なそうだが」

 鉱石に触ると、ほんのり温かい。

「これで武器を作るとなると、かなり量が必要になるね」

「言っておくが、普通なら一日がかりで作る代物だからな。おまえが異常なだけで」

「えっ、そうなの?」

「異なる属性同士を掛け合わせるのは、死ぬほど繊細な作業なんだ。いつもリッカを使って、すぐ終わらせているようだけどな」

 そんなに時間がかかるものだなんて知らなかった。

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