魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
 アルトを生み出した時だって、それほど時間がかかった覚えはないから、そんなようなものなのかと思っていたけれど。

 言われてみると、たしかに時々ノインは一日中部屋にこもっている時があった。あれは時間がかかる錬成を行っていたからなのだろう。

「僕も自分の錬成具を作るべきか……。いや、無駄だな。道具があったところで真似はできないだろうから」

 直接的ではないけれど、褒められているようだ。

 ちょっとだけうれしくなってそわそわする。

「もっとすごいねって言ってくれていいんだよ!」

「調子にのるな」

 アルトがノインに喧嘩を売って以来、彼は今まで以上に私を褒めるようになった。

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