魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
言い方は遠回しだし、お礼を言うと怒るけれど、ノインとの距離が前よりももっと縮まった気する。

「これ、せっかくできたしアベルにあげようかな? いい武器になるかもしれないなら、アベルが一番うまく活用してくれるよね。キールさんとパセットさんでもいいけど」

「……贈り物なら、師匠の僕が先じゃないのか」

 むすっとしたノインに言われて、手の中の鉱石と彼を交互に見る。

「いる? でも、ノインは使わないでしょ?」

 至極当然の疑問だったのに、わざとらしく大きなため息をつかれた。

「もういい」

「なんで怒ってるの?」

「怒ってない」

 さっきまで私を絶賛したくせに、急に素っ気ない。

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