魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
 彼と過ごして結構経つけれど、前よりも理解できない一面が増えた気がした。



 世の錬金術師が求める伝説のレシピの研究なんて、そう簡単には進まなかった。

 でも、それが逆に楽しい。まだ試せることが残っているなんて、終わりが見えなくて幸せだ。むしろこのまま、永遠に悩んでいたい。

午前中のポーション製作を終えて、塔を出てすぐ近くにある井戸へ向かう。

水を汲んで戻る途中、ちょうどやってきたアベルと目が合った。

「こんにちは、アベル。ノインなら、まだ寝てると思うよ。昨日遅くまで起きてたみたいだから」

「そうなのか? 睡眠不足には気をつけるように言ってやらないとな」

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