魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
「うるさい、連絡もなしにいきなり来るな」

 お兄ちゃんに指摘されたのが嫌だったのか、ノインは顔をしかめて跳ねた髪の毛先を手で押さえた。

「アベルが連絡しないで来るのはいつものことでしょ」

「それがおかしいんだ」

 ノインはぶつぶつ文句を言いながら外へ出て行った。

井戸まで顔を洗いに行ったのだろう。

その間に、カップを三つ用意してお茶を淹れる。

アベルはあんまり甘いものが得意じゃないらしく、ノインが淹れない限りはいつものお茶を飲まない。

逆にノインは、アベルが好むようなすっとするハーブティーが苦手なようだ。

「はい、どうぞ」

「悪いな、ありがとう」

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