魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

「それは事実なのか？　違うだろう？　だったら胸を張って出場すればいい。むしろ、馬鹿げた噂を払拭するいい機会になる」

　そう言われるとそうだけど、そんなにうまくいくものだろうか。

　すぐには返答できなくてうつむいていると、カップをソーサーに置くかちゃりという音がした。

「難しく考えなくていい。おまえが今の自分の力を試したいかどうか、だ」

　ノインがお茶菓子に手を伸ばしながら言う。

「目立つのが怖いなら勧めない。個人的には出場を勧めるけどな」

「どうして？」