魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 だけど母は姉を諭さなかったし、父もそんなふたりを特に咎めなかった。

 私も悲しかったけど、姉ほどは泣けなかったから、そこまで欲しいと思える姉に譲るべきなのだろう──なんて子供心に思ったものだ。

 その次に印象的だったのは、小学生の頃の友達。

 よくうちに呼んで遊ぶ仲良しだったけれど、いつの間にか私ではなく姉とばかり遊ぶようになっていた。

『だって凜ちゃんといてもつまんないし』

 一生親友でいようね、なんて言葉はたぶんなかったことになったのだと思う。

 それをきっかけに私は家に友達を呼ばなくなり、友達というもの自体を作らなくなった。

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