魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 辺りを悲鳴が満たし、そこにいた人々は大混乱に陥った。

 逃げ出したいのに動けずにいる私のもとへ、ふたり分の足音が駆け寄る。

「どうして昨日の今日で、もう危ない目に遭っているんだ!」

 地面に膝をつき、動けない私を抱き起こして怒鳴ったのはノインだ。

「君はドラゴンに好かれる才能もあるのか?」

 聖剣を手にしたアベルが、私を庇うように前に立つ。

「ふたりとも……」

 なにか言う前にドラゴンが起き上がり、怒りに輝く瞳をこちらに向けて咆哮する。

 ドラゴンの咆哮を受けたエミリアが、糸が切れた人形のようにどさりと倒れた。近づきたくても、身体が動かない。

「ノイン」

< 410 / 466 >

この作品をシェア

pagetop