魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
 以前、私を襲ったドラゴンよりも、目の前にいるドラゴンのほうがずっと硬く、強いようだ。だってアベルは前に、抵抗の暇すら与えず圧倒してみせたのだから。

「ノイン、アベルを助けないと!」

「当たり前だ。こんなところで死なせてたまるか」

 ノインはそう言うと、エミリアを乱暴に私のもとへ引きずった。土まみれになっているけれど、こんな時に気にしている余裕はない。

「ドラゴンは強い魔力に惹かれる生き物だ。原因はそれか?」

 エミリアが生み出した泥を示されてうなずく。

「ドラゴンごと消し飛ばしたほうが早そうだな」

「そんなことできるの?」

「できる」

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