魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
 即答されて絶句する。エミリアほどの魔法師だったら可能かもしれないけれど、肝心のエミリアはここで気絶しているのだ。ノインの手にもそれを可能とする魔道具はない。

「そこまではやらないけどな」

 アベルとドラゴンが激しく戦う中で、ノインがなにかを唱え始める。

 私にはわからない言語だけど、似た響きは聞いたことがあった。

「ノイン、あなた……魔法が使えるのね……?」

 大がかりな魔法を行使しようとしているのは間違いない。集中しているところを邪魔してはいけないと思いながらも、聞かずにはいられなかった。

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