魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
 たくさんの薬と魔道具を使ってもまだ、私にできることなんてほんの少しだけ。もっともっと強くあれば、こんなに苦しい思いをさせずに済んだかもしれないのに。

 彼の負担が減ることを願って抱きしめ返すと、『余計な心配はするな』というように頭を撫でられた。

 ──どうか、うまくいきますように。

 やがて短くも長い詠唱が終わり、私たちの周囲を半透明の膜が覆った。

「なに、これ……」

 見たことのない魔法に思わずつぶやいた時、ノインの右手からドラゴンに向かって、無数の雷が襲い掛かった。

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