魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
 どう見ても反抗期にしか思えないノインをからかうと、露骨に嫌な顔をされた。『ぷぺ』と鳴く時のアルトに似ているといえば似ている。

「リネットの言う通りだ。──それじゃあ父上、ノインと喧嘩しないようにな」

 アベルが私の手を引いて、足早に部屋を出る。

 ノインの舌打ちが聞こえた気がした。



「ふたりでなにを話してるのかな」

 アベルに城を案内されながら言うと、彼はちょっとだけ肩をすくめた。

「魔法の件じゃないか? あいつは両親にも見せたことがないから」

「そうなの?」

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