魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
 ここに住んでいた両親とエミリアは、今は王都から離れた領地の屋敷にいるらしい。屋敷といっても大した大きさではなく、使用人も古くから仕える数人が残った程度だという。伯爵とは名ばかりだと社交界でささやかれているそうで、陛下が言ったように没落するまでは時間の問題のようだ。。

 なぜ私がそんなことを知っているかというと、事情通のアベルが全部教えてくれるからである。冒険者を装ってカーディフにもちょこちょこ顔を出しているようで、聞いた話を右から左に流してくれるのだ。

 屋敷の中を見回った後は、ノインを自分の部屋へ案内した。

「ぷぺ」

 カバンから顔を出したアルトが、心底嫌そうに鳴く。

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