魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
「そういえばそれも研究しなきゃだよね。でも、後で」

 錬金術師は好奇心で生きている。それはノインも例外じゃない。

「ここが師匠の家。……家なのかな。生活感はまったくないんだよね。あるのは錬金術に関係したものばっかりで」

 扉を開いてノインを招き入れる。私がここに他人を呼んだのは初めてだ。そこまで心を許せる人も、理解してくれる人もいなかったから。

「……すごいな」

 部屋へ足を踏み入れるなり、ノインがぽつりと言う。

「個人でここまでのものを集めたのか。大したものだ」

 散らばった素材やレシピを見るノインに、私もうんうんとうなずく。師匠が褒められると私もうれしい。

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