魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
そういう未来もいいかもね
ラスヘイムへ戻った私は、なんとなくぼんやりした毎日を送っていた。
「ただでさえ間の抜けた顔が、五割増しでひどい顔になっているな」
「なんでそういうことを言うの」
わざわざ顔を覗き込んだノインに文句を言う。なにが楽しいのか、彼は喉を鳴らして笑った。
師匠の秘密基地を燃やして以来、ほんの少しだけノインの表情が豊かになった気がする。よく笑うようになったし、私へのちょっかいも増えた。
「で、どうしたんだ。あいつが賢者の石かもしれないと知って、目的を失くしたか?」
ノインは私と離れた位置に座ると、テーブルの上をお散歩中のアルトを見て言った。