皇太子殿下は護衛騎士を斯く愛せり
ソフィアは叫び声に従うまま、子どもを追いかけ捕まえた。
髪はボサボサで伸びほうだい、浅黒い顔は汚れで黒いのか、もともと黒いのか定かではない。
薄汚れた擦りきれた服、泥だらけの細い足、膝小僧が妙に目立って見えた。
両手にはリンゴ、口回りはケチャップが派手についていたし、ポケットからは黒革の財布がはみ出していた。
「キミ、このお財布は?」
「……拾った」
ルイスとソフィアが子どもと話していると、「そのガキ放すなよ」と怒鳴る男が間近に迫っていた。
ソフィアは男に向かって財布を放り投げ、子どもの手を引いて走った。
「若、早く」
「おい、ソフィ!!」
「捕まったら袋叩きですよ」
「ソフィ、呉服屋に入れ」
ルイスはソフィアの背中に叫んだ。
髪はボサボサで伸びほうだい、浅黒い顔は汚れで黒いのか、もともと黒いのか定かではない。
薄汚れた擦りきれた服、泥だらけの細い足、膝小僧が妙に目立って見えた。
両手にはリンゴ、口回りはケチャップが派手についていたし、ポケットからは黒革の財布がはみ出していた。
「キミ、このお財布は?」
「……拾った」
ルイスとソフィアが子どもと話していると、「そのガキ放すなよ」と怒鳴る男が間近に迫っていた。
ソフィアは男に向かって財布を放り投げ、子どもの手を引いて走った。
「若、早く」
「おい、ソフィ!!」
「捕まったら袋叩きですよ」
「ソフィ、呉服屋に入れ」
ルイスはソフィアの背中に叫んだ。