私はあと何回、彼に恋をするのだろう 〜仕事とストレスと、そして恋と〜
「中村さん、9時からミーティングいいですか?」

「あ、はい」

チームをふたつ担当するようになって、1日のほとんどがミーティングで埋まっていく。
特に上島チームはトラブル対応が多かったから、何かある度にミーティングが開かれ、判断を求められた。

ふぅ・・・・。

ミーティングの合間に寄ったトイレで鏡を見ると、明らかに目元に疲れが出ていた。
まだ2日くらいしかたっていないのに。

「中村さん」

「はい?」

「トイレでお伝えするのもなんですけど・・さっき頼まれたデータが出来上がったので、できれば早めに見てもらえますか?」

「・・はい」

疲れる・・・・。
トイレすら、落ち着かない。

ひと息つきたかった。

スマートフォンで次のミーティングの予定を確認すると、15分だけ隙間があった。
思わず隣のビルのカフェに飛び込む。

「カフェラテください。ミディアムサイズを、店内で」

スイーツも食べたかったけれど、とてもそんな時間は無かった。
スマートフォンに飛んでくる社内チャットを横目に、熱々のカフェラテで、少しだけ気がまぎれる。

急いで飲み終えて席を立つと、まためまいがした。
ランチの休憩、ちゃんと取らないとな・・。
そう思いつつ、ビルを出た。
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