私はあと何回、彼に恋をするのだろう 〜仕事とストレスと、そして恋と〜
「やっと終わったーーー」

綱渡りの毎日を過ごしながら、ようやく1週目が終わった。
達成感に浸りたいところだったけれど、腕時計の針は18時を指している。

「やばいっ、早く行かなきゃ!」

急いでデスク周りを片付けて、バタバタとオフィスを後にした。
18時半に間に合うだろうか・・。

もう鉄剤が無くなってしまい、病院にもらいに行かなければと思っていたのだ。
ギリギリで、なんとか受付に滑り込む。

「その後、体調どうですか?」

「時々、めまいが・・」

「中村さん、ちゃんとごはん食べてる? お肉とか魚とか」

「はぁ・・まぁ・・」

「仕事、忙しい?」

「・・はい」

「そっか。でも、食事と睡眠は意識してとらないとね。薬、出しておくから。お大事に」

「はい・・ありがとうございました」

診察室を出て、ロビーで会計を待つ。
ひと気のない静かなロビーで、仕事からの開放感と疲労で、思わずうとうとしてしまった。
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