私はあと何回、彼に恋をするのだろう 〜仕事とストレスと、そして恋と〜
薄く開いた唇から、彼の熱い舌が入ってくる。

それが這い回り、私の舌に絡まれば、もう甘い声を抑えることはできなかった。


「・・は・・あぁ・・」


それとは別に、彼の指が私の身体を滑る度に、じんわりとした切ない痺れを感じた。


「あっ・・はぁ・・れん・・と・・」

「紗絵・・」


私を見下ろす彼の視線は、明かりのない部屋の中でも、艶やかな熱っぽさをを放っていることが分かる。

このまま彼の腕に包まれて、ふたりの間にあるほんの少しの距離でさえ、なくしてしまいたいと思った。


「紗絵」

「な・・に?」

「このまま紗絵を抱いたら・・」

「抱いたら・・?」

「もう離せない」

「蓮斗・・」


しっとりとした空気がふたりを包む。
それは吐息のせいなのか、うっすらとまとった汗のせいなのか。


「はぁ・・紗絵・・・・紗絵・・」


何度呼ばれたか分からないほど、彼は繰り返し私の名前を口にした。

その度に彼が求めてくれるのだと、心も身体も満たされていく。


「蓮斗・・れん・・と・・」


ただひたすら、見えない何かを埋めるように求め合った。


「ずっと・・離れたくな・・い・・・・」


何度か身体を繋げ、心地よさも、疲労も眠気も、全てが混じり合って私の身体が限界を迎えた頃には、夜が終わりを告げようとしていた。
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