私はあと何回、彼に恋をするのだろう 〜仕事とストレスと、そして恋と〜
「え・・嘘・・そんな・・」

また生理だ。
『また』と思うくらいだから、前回からそんなにたっていないはず。

手帳をパラパラとめくると、まだ3週間ほどしか経っていなかった。
よく見ると、ここ半年はずっとそんな周期だ。

頻発月経。
なんだかずっと疲れているような気がしたのは、このせいだろうか。

それとも・・。
いま進めている新商品のプロジェクトが原因だろうか。

関わっている部門間の調整が難しく、双方を取り持つことが増えていた。

上手くいかないのは、私が直接の原因ではないと頭で理解しているものの、どうにも調整しきれないと、私の力不足だと落ち込むことも多かった。


「紗絵ちゃん、お昼行かない?」

お昼を知らせるチャイムと同時に、さつきが声を掛けてきた。
行きたい・・けれど。

「ごめん・・12時からミーティング」

「・・紗絵ちゃん、ご飯ちゃんと食べてる?」

「あんまり、食べてない。お昼の時間帯、結構ミーティング率高くて」

「うーん・・」

「お昼前はあまりお腹空いてないし、お昼の後はタイミング逃したりして、15時くらいに食べたりとか」

「今日は? いつ食べれそう?」

「そうだなー。いつ食べよう・・」

手元のノートパソコンでスケジュールを眺めてみたものの、時間の隙間が見つからなかった。
資料をチェックしながら、何かつまむくらいしかできなそうだ。

「さつき、ごめん。もう会議室行かないと」

「あ、ちょっと紗絵ちゃん!」

心配してくれる声を振り切って、私は会議室に入る。

彼も、さつきも。
本当に私を気に掛けてくれているのに。

私は、次々とやってくる仕事でもっと評価されたくて、欲張りになっていた。
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