私はあと何回、彼に恋をするのだろう 〜仕事とストレスと、そして恋と〜
「うーん、ちょっと良くないね」

「・・そう・・ですよね」

問診や内診、超音波の画像から、先生は難しい顔をして私を見た。

「うん。生理の量、かなり多いでしょ?」

「はい・・」

「まずは貧血の対処で点滴をしましょう。かなり数値も落ちてるしね。それが終わったら、今後のことも少し話さないとね」

「ホルモン治療か手術ですよね・・・・」

「そうなんだけど・・中村さんの場合は、手術の方がいいかもしれないね。大きさもあるし、筋腫の位置から言っても、腹腔鏡じゃなく開腹手術になると思います」

「そう・・なんですか」

子宮筋腫は腹腔鏡での手術も可能だとインターネットで見ていたから、軽く済んで、早く退院できるかもしれないと勝手に思っていた。

「手術前後含めて10日間くらいの入院で、退院後も2週間は自宅療養してほしいかな。そこは、仕事も調整して」

「・・・・はい」

そうか。
ということは、1ヶ月近く仕事を休むことになるんだ・・。

仕事、大丈夫かな。

「それと、もうひとつ」

「はい」

「ちゃんと考えなきゃいけないのは、子宮を残すかどうか」

「えっ」

「中村さんの場合、今のまま、筋腫と共存しながらの妊娠はかなり難しい。さっきも言ったけど、筋腫の大きさと位置の問題があるから。
だから、手術するとなった場合、筋腫含めて子宮を全摘出するか、筋腫だけ摘出するかを選ばないといけないの」

「全摘出・・」

「そう。当然、全摘出したら再発の可能性は無いけど、妊娠・出産は不可能。逆に筋腫だけ摘出する場合は、妊娠・出産は可能だけど筋腫が再発する可能性がある」


妊娠・・。
赤ちゃん・・。
どうしよう・・。
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