私はあと何回、彼に恋をするのだろう 〜仕事とストレスと、そして恋と〜
渡されたパンフレットを改めて見てみると、『フォトプラン』に何重にも丸印がしてあった。
事情があって結婚式ができないふたりに、写真だけでも・・というコンセプトらしい。
おそらく、結婚式はすぐにはできないけれど、せめてドレスを・・と考えてくれたんだろう。
お互いの服のサイズや靴のサイズがメモされていて、それをもとにフロックコートとウエディングドレスの候補を選んでいたようだった。
「蓮斗ったら、勝手にウエディングドレス選ばないでよ〜。私にだって好みのデザインあるんだからね」
眠っている彼に向かって言う。
『ごめんごめん。俺が紗絵に着て欲しいドレス選んじゃった』
きっと、そう言うんだろうな。
想像して、思わず笑ってしまう。
もしかしたらこのプラン、もう予約していたりしないだろうか・・。
だとしたら、キャンセルしなければ。
「あの、来週そちらで写真を撮らせていただく予定だった坂本ですが・・」
病室を出て、談話室から電話をしてみると、やはり予約済みだった。
事情を話してプランをキャンセルし、電話を切る。
部屋に戻って、まだ寝たままの彼に話しかけた。
「ねぇ蓮斗。蓮斗は私に、どのウエディングドレスを選んでたの? この裾が長いタイプかな・・それとも、こっちのレースが綺麗なドレス?
目が覚めたら教えてね」
そう言いながら、彼の左手を持ち上げて、自分の頬にあてた。
どうしても、涙が浮かんでしまう。
「蓮斗・・もう少し寝たら、起きてくれるよね?」
つつ・・。
「えっ?」
気のせいだろうか・・。
ほんの少しだけ・・頬で指が動いたような・・。
するり・・。
気のせいなんかじゃない。彼の大きな手が、私の頬をそっと撫でた。
「・・れん・・と?」
恐る恐る呼びかけると、かすかに小さな声が聞こえた。
事情があって結婚式ができないふたりに、写真だけでも・・というコンセプトらしい。
おそらく、結婚式はすぐにはできないけれど、せめてドレスを・・と考えてくれたんだろう。
お互いの服のサイズや靴のサイズがメモされていて、それをもとにフロックコートとウエディングドレスの候補を選んでいたようだった。
「蓮斗ったら、勝手にウエディングドレス選ばないでよ〜。私にだって好みのデザインあるんだからね」
眠っている彼に向かって言う。
『ごめんごめん。俺が紗絵に着て欲しいドレス選んじゃった』
きっと、そう言うんだろうな。
想像して、思わず笑ってしまう。
もしかしたらこのプラン、もう予約していたりしないだろうか・・。
だとしたら、キャンセルしなければ。
「あの、来週そちらで写真を撮らせていただく予定だった坂本ですが・・」
病室を出て、談話室から電話をしてみると、やはり予約済みだった。
事情を話してプランをキャンセルし、電話を切る。
部屋に戻って、まだ寝たままの彼に話しかけた。
「ねぇ蓮斗。蓮斗は私に、どのウエディングドレスを選んでたの? この裾が長いタイプかな・・それとも、こっちのレースが綺麗なドレス?
目が覚めたら教えてね」
そう言いながら、彼の左手を持ち上げて、自分の頬にあてた。
どうしても、涙が浮かんでしまう。
「蓮斗・・もう少し寝たら、起きてくれるよね?」
つつ・・。
「えっ?」
気のせいだろうか・・。
ほんの少しだけ・・頬で指が動いたような・・。
するり・・。
気のせいなんかじゃない。彼の大きな手が、私の頬をそっと撫でた。
「・・れん・・と?」
恐る恐る呼びかけると、かすかに小さな声が聞こえた。