私はあと何回、彼に恋をするのだろう 〜仕事とストレスと、そして恋と〜
「蓮斗、もう少し休んだら? 急にたくさん話したら疲れちゃうんじゃない?」

「でも・・たくさん・・ねた・・からさ」

まだ朦朧とした感じもあり、声も掠れている。
でも、こうやってゆっくりと話ができるだけで、それだけで良かった。

「さぇ・・ベッ・・ド・・おこして・・くれる?」

上半身側を少し起こすと、それに寄りかかるようにして彼が身体を起こした。

「大丈夫?」

そう尋ねると、彼はこくんと頷いた後に、私に笑顔を向けてくれた。

蓮斗・・。

きゅん、とした。

なんだかドキドキして、俯いた。

「さえ?」

「・・・・」

「となり・・すわ・・って」

彼が自分の横をポンポンと叩く。

「え、ベッドに?」

そっとベッドに上がり、横に座った。

「さえ」

「ん?」

「さえ・・・・おれの・・どこが・・すき?」

「えー?」

「おしえて・・くれたら・・うれしい」

そう言って、彼は微笑んだ。

「私だけ言うなんて恥ずかしいよ・・。
蓮斗も、もう少し元気になったら教えてくれる?」

『もちろん』と言うように、隣にいる私の手をきゅっと握った。
< 66 / 85 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop