私はあと何回、彼に恋をするのだろう 〜仕事とストレスと、そして恋と〜
「えー、看護師さんも病人なんですか?」
「そうなんですよ、階段から落ちて腕折っちゃって。それも利き腕だし。
だから、不便な気持ちすごい分かりますよ。困ってることがあったら、何でも話してください!」
少し離れたところから、師長さんと一緒に彼を眺めていた。
「みんな笑顔になって帰っていくわね」
「ほんとに」
「やっぱり、家でじっとしてる人じゃなかったわね」
「主人も楽しいらしくて、大学院で勉強することも考えてるみたいです」
「へー、そう。奥さまは、その後具合どう?」
「はい、もうすっかり。生理ってこんなに経血の量が少ないものなんだと驚きました」
「そうよね、少しずつ悪くなるから、それに慣れていくのよね。私が言うのもなんだけど、これからも無理しちゃダメよ。
坂本さんが悲しむからね」
「はい、気をつけます」
相談に来ていた患者さんが途切れたらしく、彼が向こうから手を振っている。
私もニコニコして手を振り返すと、師長さんが「またね」と言って師長室に戻って行った。
「紗絵、来てたんだ」
「うん。診察受けて、お昼の出社まで時間あったから、師長さんにご挨拶がてら蓮斗の様子を見に来たの。
患者さんに人気なんだってね。なんか妬けちゃうなぁ」
「え? なんで?」
「だって・・」
「だって?」
「私も、蓮斗とたくさん話したいんだもの・・」
恥ずかしくなって思わず俯く私に、彼が耳元でささやいた。
「可愛い、紗絵。続きはベッドで・・だな」
「ちょっ・・!」
「ほら紗絵、そろそろ出ないと間に合わなくなるぞ。俺もナースステーション戻るから」
「あ、うん。仕事終わったら連絡するね」
じゃーな、と手を振りながら、彼はナースステーションに戻っていった。
「そうなんですよ、階段から落ちて腕折っちゃって。それも利き腕だし。
だから、不便な気持ちすごい分かりますよ。困ってることがあったら、何でも話してください!」
少し離れたところから、師長さんと一緒に彼を眺めていた。
「みんな笑顔になって帰っていくわね」
「ほんとに」
「やっぱり、家でじっとしてる人じゃなかったわね」
「主人も楽しいらしくて、大学院で勉強することも考えてるみたいです」
「へー、そう。奥さまは、その後具合どう?」
「はい、もうすっかり。生理ってこんなに経血の量が少ないものなんだと驚きました」
「そうよね、少しずつ悪くなるから、それに慣れていくのよね。私が言うのもなんだけど、これからも無理しちゃダメよ。
坂本さんが悲しむからね」
「はい、気をつけます」
相談に来ていた患者さんが途切れたらしく、彼が向こうから手を振っている。
私もニコニコして手を振り返すと、師長さんが「またね」と言って師長室に戻って行った。
「紗絵、来てたんだ」
「うん。診察受けて、お昼の出社まで時間あったから、師長さんにご挨拶がてら蓮斗の様子を見に来たの。
患者さんに人気なんだってね。なんか妬けちゃうなぁ」
「え? なんで?」
「だって・・」
「だって?」
「私も、蓮斗とたくさん話したいんだもの・・」
恥ずかしくなって思わず俯く私に、彼が耳元でささやいた。
「可愛い、紗絵。続きはベッドで・・だな」
「ちょっ・・!」
「ほら紗絵、そろそろ出ないと間に合わなくなるぞ。俺もナースステーション戻るから」
「あ、うん。仕事終わったら連絡するね」
じゃーな、と手を振りながら、彼はナースステーションに戻っていった。