私はあと何回、彼に恋をするのだろう 〜仕事とストレスと、そして恋と〜
誓いのキスを唇にするのは、お互いの誓いを封じ込める意味があるのだそうだ。
私たちは、向かい合ってキスをした。
やわらかくて、あたたかくて、優しいキスを。
「・・ありがとうございました。お願いした私まで、おふたりのおかけで幸せな気持ちになりました。明日、頑張ります!」
「きっと上手くいきますよ。な、紗絵」
「うん。応援しています」
「はい。蓮斗さん・紗絵さん、どうぞお幸せに!」
教会の外は、もう真っ暗だった。
「あー、幸せ♡」
「今度、ちゃんとやろうな」
「私・・いまので充分だよ、蓮斗」
「ほんとか?」
「そんなに何度も誓わなくても大丈夫でしょ?」
それを聞いて、ククッと彼が笑った。
「それより蓮斗」
「ん?」
「結婚指輪、用意してくれてたんだね。嬉しかった」
左手を目の上にかざして、薬指の輝きを再確認する。
「気に入ってくれた?」
「うん、もちろん!」
「・・渡すの、遅くなってごめんな。ほんとはふたりで旅行行った時に渡すつもりで・・」
「そう・・だったんだ。もし、蓮斗が目を覚まさなかったら、指輪の存在すら知らないままだったかもしれないね」
そう思うと切なくなって、思わず彼に抱きついた。
「紗絵・・」
「良かった。私より先に蓮斗が天に召されるとしても、あんまり早いのは嫌だよ・・。
これからもずっと、蓮斗に恋していたいから」
ポンポンと、彼が私の頭を撫でる。
「当分、大丈夫だよ。俺の愛の大きさに、死神も引くはずだからさ」
「じゃあ、念のために魔除けのキス・・しない?」
私たちは、教会の入り口の影でキスをした。
はぁー、と彼がため息をつく。
「どうしたの?」
「・・抱きたい、今すぐ。俺も紗絵が好きでどうしようもない」
ぎゅーっと私を抱き締め、彼が熱い視線を落とす。
「紗絵、走って帰ろう」
「え? ちょっ、蓮斗、待って!」
「紗絵、早く!」
彼の背中を追いかけながら思った。
私はこれからあと何回、彼に恋をするのだろうか・・と。
〜 おわり 〜
私たちは、向かい合ってキスをした。
やわらかくて、あたたかくて、優しいキスを。
「・・ありがとうございました。お願いした私まで、おふたりのおかけで幸せな気持ちになりました。明日、頑張ります!」
「きっと上手くいきますよ。な、紗絵」
「うん。応援しています」
「はい。蓮斗さん・紗絵さん、どうぞお幸せに!」
教会の外は、もう真っ暗だった。
「あー、幸せ♡」
「今度、ちゃんとやろうな」
「私・・いまので充分だよ、蓮斗」
「ほんとか?」
「そんなに何度も誓わなくても大丈夫でしょ?」
それを聞いて、ククッと彼が笑った。
「それより蓮斗」
「ん?」
「結婚指輪、用意してくれてたんだね。嬉しかった」
左手を目の上にかざして、薬指の輝きを再確認する。
「気に入ってくれた?」
「うん、もちろん!」
「・・渡すの、遅くなってごめんな。ほんとはふたりで旅行行った時に渡すつもりで・・」
「そう・・だったんだ。もし、蓮斗が目を覚まさなかったら、指輪の存在すら知らないままだったかもしれないね」
そう思うと切なくなって、思わず彼に抱きついた。
「紗絵・・」
「良かった。私より先に蓮斗が天に召されるとしても、あんまり早いのは嫌だよ・・。
これからもずっと、蓮斗に恋していたいから」
ポンポンと、彼が私の頭を撫でる。
「当分、大丈夫だよ。俺の愛の大きさに、死神も引くはずだからさ」
「じゃあ、念のために魔除けのキス・・しない?」
私たちは、教会の入り口の影でキスをした。
はぁー、と彼がため息をつく。
「どうしたの?」
「・・抱きたい、今すぐ。俺も紗絵が好きでどうしようもない」
ぎゅーっと私を抱き締め、彼が熱い視線を落とす。
「紗絵、走って帰ろう」
「え? ちょっ、蓮斗、待って!」
「紗絵、早く!」
彼の背中を追いかけながら思った。
私はこれからあと何回、彼に恋をするのだろうか・・と。
〜 おわり 〜