いつか再び
第一章 真実
いつもどおりだった。
その瞬間まで、私は知らなかった。
その、真実を───…。
もしかしたら、これから先、ずっと知ることはなかったかもしれない。
それは私が14歳の誕生日を、迎えた日のことだった。
「深春様、ご用意が出来ました。」
「ご苦労様。下がっていいわよ。」
私の名前は桃井深春。
一応この国の姫。
地位とか私にはどうでもいいことなのだけれど。
立場とか気にならないし財産だって欲しくない。
ただ毎日がなんとなく過ぎ去っていたある日のこと。
変わらない平凡な毎日に違う日が訪れたのだった。