いつか再び



「国のしきたりなの。」




王の子は一人でなくてはならない。
その子が、後の王となる。




確かにその話は何度も聞いたことがある。




「双子のあなたたちを中絶するなんて、私たちには出来なかったの。」





だからこっそり産んで千春を違う世界に置いてきたの。




「生きていれば、きっと幸せになれる。そう信じてね……。」





でもそれは。




間違いだったのかもしれない。





お母様は泣きながらそう話してくださった。




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