7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
彼女になって下さい

 オフィスビルが立ち並ぶ人通りが多い駅前。
 
 一際目立つ自社ビルを構えている宗田ホールディング。
 現在は社長は宗田疾風(そうだ・はやて)が就任して、アメリカと日本を行ったり来たりしている。
 そして副社長には疾風の息子である翔次(しょうじ)が就任して、社長の疾風が不在が多い為、いつも遅くまで仕事をしている。
 休みの日も出勤してきて残務をこなしているようで、恋人も作る暇がないと言われている。

 
 宗田ホールディングの自社ビルは11階建てで、最上階の屋上はガラス張りの囲いがしてあり、雨の日でも休憩が出来るようになっている。

 夜になると星空が綺麗に見えて、まるでプラネタリウムのようになる。


 今夜もそんな綺麗な星空が広がっている。
 ネオンが輝く駅前で、こんなに綺麗な星空が見えるのはここだけだろう。

 そんな屋上に佇んでいる一人の青年。

 スラっとした長身で、推定185cmはありそうなモデル並みのルックスに、一見クールに見えるが、分厚い黒ぶち眼鏡をかけている感じからちょっとなよっとして見える綺麗系なイケメンが立っている。
 秋の夜に相応しいシックな茶色のスーツ姿に、サラサラとした栗色の髪が風になびいている。

 この青年が副社長の翔次である。
 
 社長の疾風はきりっとしたイケメンで、未だに女性から好感度が高いが、息子の翔次は真逆で何だか頼りなさそうなナヨナヨしたタイプで、本当にこんな人が副社長でいいのか? と言われている。

「フーッ…」

 伸びをして一息ついた翔次は、そっと胸に手を当てた。
「あと7日…。そうしたらもう、この星空も見ることができなくなるんだね」
 空を見上げて悲しげに目を細めた翔次。

 と…。
 急に首筋に冷たいものが押し付けられてた。

「動かないで、そのまま…」
 低めの綺麗な女性の声に、翔次は目だけ動かした。
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