7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
セフレでいいから
色々と考えていた凜は、いつの間にかウトウトと眠っていた。
カタンと、小さくドアを開ける音がしてハッと目を覚ました凜。
「まだ、起きていたの? 」
凜太郎と聖龍と一緒に寝ていた奏弥が起きてきた。
「あ…もう、寝ますので…」
壁に掛けてある時計を見ると、時刻は0時を過ぎていた。
「ちょっと、隣に座ってもいいかな? 」
「はい…」
奏弥はそっと凜の隣に座った。
「ねぇ、どうして一人で全て背負っているんだ? 」
「いえ、そんなつもりはありません」
「だって、凛太朗君も聖龍君も翔次の子供だよね? 」
「…はい…」
「それなら、どうして知らせて来なかったんだ? 」
ギュッと口元を引き締めて、凛は黙ってしまった。
「父さんも母さんも、ずっと心配していた。突然、宗田家とは縁を切るから籍を抜いてくれてと言われて音信不通になったから。てっきり、凜さんが他の男性と結婚する為だと思っていたようだけど。凛太朗君も聖龍君も宗田の苗字を名乗っているって事は、まだ籍を抜かれていないからだよね? 」
「はい…。すみません、黙っていて。でも、あの子達はもう少し大きくなったら宗田家にお返しするつもりですので…」
「何を言っているんだ? 子供は、道具じゃないだろ? 翔次がこの世に残してくれた、大切な命。その命を、凛さんが産んでくれた。奇跡としか言えない事だ」
俯いている凜の手を、奏弥はそっと握った。
「教えてくれないか? どうして、4年前約束の場所に来れなかったのか」
来なかったとは言わず、来れなかったと言ってくれる奏弥。
握られた奏弥の手からは、とても暖かい温もりが伝わって来る。
翔次と似ているような気がするが、この温もりはそれより前に感じたことがある…。
(愛しています、貴女の事を…)
遠い記憶の中から聞こえてくる声に、凛はハッとなった。
その声はどこか奏弥に似ているような気がした。