7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
「4年前。約束の場所に行こうとしました。…家を出て、約束の場所に向かう途中。急にめまいがして倒れてしまい、気が付いたら病院に運ばれていました。目が覚めたのは、もう夜になっていて飛行機は出発した後でした。…後から追いかけようとも思いましたが、医師から妊娠していると告げられて海外出国はやめるように言われました…」
「そうだったのか。そりゃ無理だよ、大切な命を抱えて異国に行くのはさっ」
「すみません、連絡を入れるべきだと思ったのですが。きっと、約束を守らなかった事で見放されていると思い込んでしまったので。…それに、子供ができたことは言わない方がいいと思ったので。一人で産んで、育てる事を決めて宗田家に籍を抜いてもらうようにお願いしました…。姉の事もありましたし、私も姉に脅されていたとはいえ翔次さんの命を狙った一人には違いありませんので…」
「籍を抜いても、翔次の子供には変わりないじゃないか」
「確かにそうですが。自分で、自分を許せなかったのです。…凛太朗と聖龍を産んで、しばらく北の地にいましたが。…父の仕事の関係で、ここに戻って来たのです。…目立たないように、ひっそりと暮らすつもりでしたが…」
「そうか…」
握っている手をギュッとにぎりしめた奏弥は、そのまま凜を引き寄せそっと抱きしめた。
あ…この感じ…前にも知っている…。
(好きでいさせて下さい、貴女の事を…。俺、いつ死ぬか判らないから人を好きになってはいけないって思っていたから…)
抱きしめられた温もりの向こうから聞こえてくる声に、凛は胸がキュンとなった。
トクン…トクン…。
伝わてくる奏弥の鼓動から懐かしさを感じた凜。
この鼓動…確かに前も感じたことがある。
「凜さん…俺と、付き合ってもらえませんか? 」
「え? 」
「翔次の事を忘れなくても構わない。翔次を好きな凜さんでいいから、俺と付き合って下さい」
「でも…」
「…セフレで構いませんから…」
セフレ?
驚く凜をギュッと抱きしめた奏弥。