7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…

 翌日。
 
 目を覚ました奏弥は、コトコトと何かを包丁で切っている音で目が覚めた。

 朝方になり、奏弥は凛太朗と聖龍の傍に戻って行った。
 ぐっすり眠っていた凜太郎と聖龍は、奏弥がいなかった事に気づいていないままずっと眠っていた。

 
 目を覚ました奏弥が起きてゆくと、キッチンで凛が朝ご飯を作っていた。
 コトコトと切っていたのは、お味噌汁に入れる具材を切っている音だった。

 料理を作っている凜の姿を見ると、奏弥は幸せな気持ちを感じた。
 
「おはよう…」

 奏弥が声をかけると、凛は手を止めて振り向いた。

「おはようございます」
「いいなぁ、こんな朝。美味しうなお味噌汁の匂いがして、料理を作っている女性の姿を見るのって。…俺、ずっと諦めていたから…」

 嬉しいけど…なんて答えたらいいのか分からず、凜は黙っていた。

「あ…顔洗ってくるよ」

 答えずらそうな凜を見て、奏弥が起点をきかせた。

「洗面所はお風呂場の隣です。新しい歯ブラシと、タオルを置いておきましたので使って下さい」
「有難う」


 洗面所へ向かう奏弥を目で見送り、凛はご飯作りの続きを始めた。
 
 
 暫くして。
 奏弥が歯磨きをして戻ってくると、凛太朗と聖龍が起きてきた。

「おはよう、凛太朗君、聖龍君」

「おはよう…」
「おはようございます」

 目をこすりながら挨拶をした凛太朗と聖龍。

「2人共、歯磨きは自分で出来るかい? 」
「うん」
「できるよ」
「そっか。じゃあ、早く済ませておいで」
 
 凛太朗と聖龍を連れて、奏弥は洗面所に向かった。

 その間に凜は朝食をテーブルの上に並べた。


 小さいながらも懸命に歯磨きをしている凛太朗と聖龍。
 そんな2人を見ていると、奏弥は幸せな気持ちになれた。

 よく小さい頃、翔次と一緒に歯磨きをした事を思い出しながら、凛太郎と聖龍を見ていた奏弥。


< 111 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop