7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
「じゃあ、凛太朗君と聖龍君にはそんな思いをさせないようにしようよ」
「そう思っている…。できるだけ、一緒にいる時間を多くしようと思って。仕事もセーブしているの」
「そっか」
凛を見ていた凜太郎と聖龍が戻って来た。
「ママ、そろそろ弁当食べよう」
「お腹空いてきた」
時刻はお昼になろうとしていた。
少し歩いた場所に休憩できる広場がある。
芝生もあり、シートを敷いてお弁当を食べている家族も多くいる。
凜太郎と聖龍もシートを持ってきて広げた。
凛も大きめのシートを広げた。
作ってきたお弁当を広げると、とても美味しそうな唐揚げと卵焼き、ゆでたエビやタコさんウインナーが入っていて、シャキシャキしたレタスとポテトサラダも入っていた。
「わぁ…すごい。全部手作りなんだね」
「いつも、凛太朗と聖龍がお弁当を持て行くので作り置きもありますから。それほど手はかかっていませんよ」
「そうなんだ」
おかずとは別のタッパにおにぎりが入っている。
きれいな三角形に握ってあるおにぎりは、おかかと鮭と昆布の種類が入っていた。
凛太朗と聖龍は鮭が大好きで、小さいおにぎりを美味しそうに食べ始めた。
奏弥もおにぎりを食べ始めた。
冷めているご飯なのに、とっても美味しくて奏弥は驚いていた。
「おにぎりって、冷めてもおいしいんだね。俺、お弁当ってあんまり食べたことが無くて」
「え? そうなんですか? 」
「遠足とか、お弁当を持って出かける行事には参加できなかったんだ。いつ、発作が起こるか判らなくて遠足の日は休む事が多かったから。近所の公園に、遊びに行く事があってもお弁当を持っていく事はなかったから」
「そうですか…」
「父さんも母さんも働いていて、忙しいから。お握りを作ってくれるって事も少なくて、たまに作ってくれた事があったけど。冷めていて、あんまりおいしくなかったよ」
話しながら食べている奏弥を、聖龍はじっと見ていた。
「こうやって、外でお弁当を広げて食べる事なんて初めてだよ。いいね、こうゆうのも。みんな、幸せそうだし」
周りの家族を見て奏弥は嬉しそうに微笑んだ。
「いいな~あの子達のお父さん、とってもカッコいい人だね」
近くでお弁当を食べている小さな子が、奏弥を見て言った。
「羨ましいなぁ。お母さんも綺麗な人だね」
そう言われると凜はちょっ照れてしまった。
気づけば、通り行く人達が振り向いて見ていた。
「わぁ、あの子達綺麗な顔立ちしているわね」
「お父さんもお母さんも、綺麗な人だからね」
「あんなイケメンのお父さんだから、子供も素敵な子だね」
通り行く人が羨む声をかけていた。
それを聞いた凜太郎がキョンとした顔をしていた。