7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
聖龍は大人しく食卓に座った。
「ちょっと待っててね、お茶を用意するから」
キッチンに向かい奏弥はお茶の準備を始めた。
すると。
プルルルル…。
固定電話が鳴った。
「はい、もしもし…。母さん? …え? いるけど。…あ、ああ…」
電話で話している奏弥を、聖龍はじっと見ていた。
奏弥は電話を切ると、少し複雑そうな顔をしてしていた。
再びお茶の用意をし始めた奏弥。
間もなくしてチャイムが鳴った。
モニターを確認すると、やって来たのは奏弥の母親の奏だった。
奏弥に似ている顔立ちで、若々しい優しい感じの女性で穏やかそうな顔をしている。
「あいているから、入ってきていいよ」
奏弥が返事をすると、カチャッと玄関が開いて奏が入ってきた。
「奏弥、ごめんね突然来ちゃって」
若々しいブルー系のワンピースに白いカーティガンを羽織っている奏は、沢山の荷物を持っていた。
「これ、食材買って来ての。いつもコンビニばかりでしょう? 自炊しないと、身体に悪いじゃない」
言いながら奏はふと、聖龍を見た。
「あら? 」
聖龍を見た奏は息を呑んで驚いた顔をした。
「翔次にそっくりね…。どうしたの? この子」
「その子は、聖龍君。凜さんの子供だよ」
「え? じゃあ…翔次の子供なのね? 」
「ああ、そうだよ」
荷物を置いた奏は、聖龍の傍に歩み寄って行った。
「初めまして、私はね。貴方のお父さんの母親で、貴方にとってはお婆ちゃんよ」
ニコっと笑った奏に、聖龍はプイッとそっぽを向いた。
「あら、人見知りするのね? そう言えば、翔次も小さい頃は人見知りだったわね」
ヨシヨシと頭を撫でた奏を、聖龍は避けてムスっとした目で見てきた。
「あっち行け! 」
プイッと突き放してくる聖龍に、奏はどこかショックを受けた。
まるで翔次に言われているような気がして…。
「ごめん、ごめん。きっとお腹空いているから、機嫌が悪いんだよ。今、ご飯食べようとしていた所だから」
お茶を用意しながら奏弥が言った。
「そうだったの? じゃあ、ちょうど良かったわ。食材買って来たから、さっと作るからちょっと待ってて」
キッチンへ向かった奏は買てきた食材を取り出して、調理を始めた。
間もなくして。
奏がサッと作ってくれたのは、卵がフンワリとしているデミグラスソースのオムライスだった。
美味しそうな匂いがして食欲をそそられるが、聖龍はそれを食べようとしなかった。
「あれ? オムライス嫌い? 」
奏が声をかけても知らんぷりして、聖龍は買ってきたコンビニのおにぎりをゆっくりと食べ始めた。
どうしちゃったのだろう?
奏は戸惑った表情を浮かべていた。