7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
「帰っちゃったかな。大丈夫よ、私に甘えられなかった分。来世では、思う存分甘えなさい」
そっと聖龍の頭を撫でた奏は、そのままパジャマを着替えさせた。
奏弥のパジャマは、やはり聖龍にはまだ大きすぎたが、何もないよりはいいだろうと思った。
そのまま聖龍を寝室に運んで寝かせ終えると、奏は疾風に電話をかけた。
「貴方、悪いけどちょっと子供用のパジャマを買って来てもらえないかしら? …うん、男の子用よ。…うん、お願いね」
奏は疾風に電話をかけ、聖龍のパジャマを買って来てもらう事にした。
寝室に戻って来た奏は、眠っている聖龍を見て幼いころの翔次を思い出していた。
奏弥に手がかかり、入院すると奏がつきっきりで家に戻ると翔次の寝顔をよく見に行っていた。
ぐっすり眠っている翔次を見て、そっと頭を撫で可愛い寝顔を見て癒されていた奏。
いつの日か、翔次の寝顔がだんだん険しくなってゆくのを感じていた。
そのうち頭ら布団をかぶって顔を隠しながら寝ていた翔次。
熱で頬が赤らんでいる聖龍を見ていると、翔次が病気の時に一人で苦しんでいただろうなぁと奏は思った。
「ごめんね、翔次…」
ピクっと聖龍の瞼が動いて、ゆっくり目を開けた。
ぼんやりとした目で奏を見た聖龍は、虚ろな目でじっと見つめてきた。
「…お婆ちゃん…」
先ほどとは違い、幼い声に戻っている聖龍。
「そうよ。私は、あなたのお婆ちゃん。好きなだけ甘えていいのよ」
「…お父さんに…似ている…」
それだけ言うとスーッと眠ってしまった聖龍。
奏はそっと布団をかけた。
それからしばらくして。
疾風が子供用のパジャマと着替えを一式買って来てくれた。
子供が喜びそうなキャラクターの絵柄の上下パジャマに、普段着てもいいようにシャツとズボンも数着買ってきてくれた。
そしてそれに合わせて靴や靴下まで買ってきた。
「まぁ、随分と買って来たのね」
「いや、ついついあれもこれもって買いたくなってしまったんだ」
「そう。これだけあれば、兄弟喧嘩しなくて済むわね」
「え? もう一人いるのかい? 」
「ええ、聖龍君は双子で。凛太朗君ってお兄ちゃんがいるの」
「双子かぁ…。なんだか、奏弥と翔次のようだね」
「そうね」